2008年12月26日金曜日

安定生活とその代償

今日で吾輩が保護(拉致監禁)されてから三ヶ月となるが、すでに何年もこの家で暮らしているように感じる。

「斉藤式」猫年齢換算からすると、人間でいえば四年程の感覚かもしれない。

以下の三枚の写真は、マドンナ様が保護直前に撮影したものだ。少々野良猫らしい鋭さがあるものの、吾ながら愛くるしい姿だと思う。
野良猫1

野良猫2

野良猫4



しかし、先の「斉藤式」だと、現在月齢七ヶ月(推定)の吾輩は、人間でいうと十歳になる。

保護三ヶ月目

最近撮った写真を見ると、オッサンくさく感じるのは気のせいであろうか?
オッサンくさい猫


2008年12月24日水曜日

楽しいクリスマス

「Buon Natale!」
なぜかイタリア語で挨拶したくなった。

クリスマスである。

人間は日照時間の短いクリスマス頃に発情するらしい。人間の雄は、秋になると慌てて交配相手を探し、首尾好く相手を見つければ、12月24日から25日にかけて交尾を行う。つまり、今日明日あたりに人間は一年で最も盛んに交尾を行うのだ。少子化の進む人間社会において、真に好ましい習性である。

ベットの大きさに若干の問題

我々猫は人間と違い、日照時間が長くなると、まず雌が発情し、その悩ましい泣き声を聴いた雄も、それに釣られて発情する。しかし、飼い猫は室内照明の関係により、年中無休で発情する猛者も居るそうだ。
抱きつくとスゲー嫌がる

悲しい話だが、資本主義の悪魔に毒された“仔猫生産業者”は、照度を調整し、九月末から十月頃に、雌猫を発情→交尾→妊娠させ、約六十日の妊娠期間を経て、クリスマス商戦に合わせた、生後一ヶ月程の極小仔猫を出荷する。まるで、ポインセチアやシクラメンの開花調整のようだ。
なんとも罪深い行為ではあるが、資本主義社会において仕方の無い事かもしれんし、少なくとも、その仔猫を飼う人間に、無知以外の罪は無いと信じたい。
もしも、吾が飼い主が、承知の上で「クリスマスペット買い」をしたら軽蔑するが、そもそもケチな彼が、相場の高い時期にそれをする筈も無い。

とりあえず、吾輩への
猫缶等のプレゼントは期待している。


ところで、飼い主殿に発情の兆しは見受けられない。どうやら今年もまた、交配相手を見つけられなかったようだ。飼い主は『猫の世話に時間を盗られた』と見苦しい言い訳をしているが、それは事実無根であり、言いがかりに過ぎない。
その証拠として、去年は猫を飼っていなかった、彼のパソコンから昨年のクリスマスの写真を発掘した。




XPタン-楽しいクリスマス_02

XPタン-楽しいクリスマス_01


趣味の否定はしたくはないが、情けなくて涙がでてくる。
怒る猫



2008年12月23日火曜日

クリスマス中止のお知らせ

吾輩の飼い主殿のパソコンから、奇妙な画像とテキストを発見した。
クリスマス中止のお知らせ

2008年12月25日に開催予定のクリスマスは、サンタ・クロース氏がストームトルーパーに拘束されたため中止となりました。これに伴い、クリスマスイヴを含むプレゼントやクリスマスデートなどクリスマスに関連する諸行事は全て中止となります。ご了承下さい。
中止、ならびにこの告知が遅れたことにつきまして、楽しみにしておられた方々・関係者各位には謹んでお詫び申し上げます。

クリスマス実行委員会

上の画像は、タイムスタンプによると一年前に作成されている。

吾が飼い主ながら、情けなくて泣けてくる。
CRTの前で邪魔をする猫



2008年12月21日日曜日

野良生活時代の洋館に行く

吾輩が保護(拉致監禁)されてから、そろそろ三ヶ月となる。
そのあたりの経緯を忘れぬうちに記しておきたいのだが、吾輩も自宅警備やら昼寝やらで忙しく、なかなか書けないでいる。
保護三日目
保護三日目撮影

そんな最中、暇を持て余している吾が飼い主の気紛れで、吾輩が保護された洋館に連れて行かれた。

苦手な車に数分揺られて到着。
幼少の頃、、、といっても三ヶ月前だが、記憶が残っていたのか緊張は無い。しかし館の中に入るのは初めてだと思う。
そこで、お世話になった方々と久しぶりにお会いした。マドンナ様とは二ヶ月程前にもお会いした気がするが、正直…あまり覚えていない。しかし、彼女のテンションは以前より高い事だけは感じ取れる。

それにしても、この館にしても、動物病院にしても女性が多い。人間とは八割方、女性の種族であっただろうか?大抵の猫もそうだと思うが、吾輩も野郎より女性の方が好きであるので、女性比率の高さは喜ばしい。

とりあえず今日は眠かったので、以前の様に“噛み付き猫キック”はせずに、大人しく彼女らに撫でられる事を楽しんだ。

残念だったのは、飼い主によって何とも恥ずかしい柄のハーネスを着けられていた事だ。
猫用ハーネスセット ギンガム
ハーネスを装着するのは大して気にならなかったが、この柄は酷い羞恥プレイである。

2008年12月19日金曜日

ナナの乳歯が抜ける

ナナの、左右上顎の四番(犬歯)の乳歯が抜けた。
ほぼ同時に、二本の乳歯が抜けたにも関わらず、口内の出血は確認されていない。
吾輩の場合はだいぶ出血が有った。これは、体質の違いであろう。

2008年12月17日水曜日

【毎月恒例】虫下し投与【十二月】

今日は珍しく、飼い主が昼間から家に居た。どうやら仕事が休みらしい。
飼い主が休みの日は、病院に連れて行かれたり、薬を飲まさるわで嫌な事ばかりである。
今回は虫下しを飲まされるようだ。しかし、どんな“おやつ”に薬を混ぜるのかと若干の期待もある。

何を思ったのか?飼い主が自らの左手を吾輩の目の前に差し出した。その手には、何も隠し持って無い様だ。取り敢えず、前足を彼の手首に絡みつけ、指に噛み付こうとしたその刹那!

飼い主は、右手に隠し持っていた薬を吾輩の喉奥に押し込んだ!

しかも、一錠と半錠を連続して。

舌より奥に入れられると、吐き出す事は出来ない。苦しさから逃れる為、仕方なく飲み込むしかないのだ。吾輩の噛み癖を利用されてしまった。なんとも惨い仕打ちである。

次は“ナナ”の番になる。彼女は飼い主を一度たりとも噛み付いたり引っ掻いたりした事は無い。しかし、彼女は決してお淑やかな娘では無い。吾輩は毎日彼女に噛み付かれたり“猫パンチ”を食らわされたりしている。

飼い主は安易な方法でナナに薬を飲ませようとした。
まずは、指先に持ったカリカリを彼女に一粒づつ食べさせ始めた。そして数粒を食べさせると、今度はその指先に薬を半錠つまむ。常識的に考えて、これを食べる猫はいない。

が、彼女は食った!何の疑いもなく食らい付いた!
しかし、流石に違和感があった様で、それを吐き出そうとした瞬間。飼い主の指が彼女の口に入り、そのまま薬を押し込んでしまった。
そして、彼女の鋭い乳歯に傷つけられる事も無く、飼い主の指は生還した。


飼い猫の信頼を裏切った飼い主を、彼女は恨めしげに見上げている。

2008年12月12日金曜日

【毎月恒例】フロントライン プラス投薬【ノミ駆除】

吾輩もナナも、ノミは見当たらず痒い処も無いのだが、お互いのエチケットとして、いつもの「フロントライン プラス」を投薬される事となった。
叫ぶ猫(ホントはアクビ)

この薬剤の注意書きには、体の大きさにかかわらず「全量滴下せよ」とあるのだが、貧乏性の吾が飼い主は、この高価な薬剤のピペット一本から、少量をナナに垂らし、残りを吾輩に滴下した。

ここで、彼の貧乏性が功を奏したようだ。ナナは雌猫であるのに、安物のマタタビ少量でも酔ってしまう体質なのだが、この「フロントライン」の副作用というか、当然の作用というべきか、舐めてもいないのに、成分のアルコールに反応したのか、「きゅるきゅるにゃー」と鳴きながら、酔った様な行動を始めた。
豚っぽいアビシニアン

もしも、彼女に全量を滴下していたら嘔吐したかもしれない。
幸い、彼女の奇行は十分程で収まり、今は眠りこけている。

猫にアルコールは要注意である。旧千円札の中の人が百年前に随筆した、猫を主人公とした小説がある。不運にもその猫は、ビールを飲んで酔った末に、甕(かめ)に落ちて溺死しているのだ。

余談だが、吾が飼い主は下戸(げこ)である。

体重測定

吾輩の体重は、4.4㎏となり、益々肥大化している。対して、満五ヶ月の新入り猫の“ナナ”は、やっと1.8㎏になったところである。
サイズ比較

現在、吾輩の食事量は日に二回、カリカリを40gづつであり、これを十分以内に食すのだが、ナナは日に二回、カリカリを30gづつで、各十時間程度で食す。
ナナの「チビチビ食い」は、ペットショップでついた癖らしいが、飼い主はこれが不満らしい。彼は日に一食、十分以内に食すという、人間種としては特殊な生態の持ち主だ。

ナナの餌は、彼女の専用室である、開け放されたケージの二階に置いてあるのだが、紳士な吾輩は、それを盗み食ったりはしない。
見下す猫

そもそも、彼女の縄張り内に気安く入るのは気が引ける。しかも飼い主の陰謀によって、故意に吾輩をケージ嫌いにしたのだ。

しかし彼女は、吾輩がカリカリを食っていると、それが彼女と同じ物であっても、吾輩を押しのけて食おうとする。
意地汚い猫

少食のくせに、意地汚い娘である。

2008年12月8日月曜日

風呂

本日、ナナと共に洗われる。


濡れるのは嫌いである。

2008年12月7日日曜日

水を手(前足)ですくって飲む猫

新入り猫“ナナ”は、時折、水を手ですくって飲んでいる。これは珍しい行為ではないそうだ。吾が飼い主が、二十年前に飼っていたトラ猫もそうであったらしい。
特に彼女ら、アビシニアンは水をあまり恐れないそうだ。吾輩もそれほど水を恐れないが、体が濡れるのは不愉快に感じる。

問題は、彼女が吾輩専用の大型ステンレス水皿にまで前足を入れる事だ。彼女は便所での砂掛けが下手なので、毎回のように雲子(ウンコ)を触ってしまう。その前足を吾輩の水皿に突っ込んで水を掻き混ぜたりする。不衛生極まりない行為である。まさか吾輩の水皿で雲子(ウンコ)を洗い流しているのだろうか?彼女は自分専用の小型水皿では、掻き混ぜまではしていない。
彼女の個室である、開け放たれたケージとトイレの間に、吾輩の水場があるだけで、彼女に悪意は無いと信じたい。
夕日を見る猫

砂掛けは下手な彼女だが、器用な一面もある。それはカリカリを水に入れて、ふやかし、片手で掴み上げて食うのだ。邪道な食し方ではあるが、感心してしまう。

水場の衛生面については、二階の洗面台を新たな水場として追加し、水を少しずつ流したままにする事により改善された。

2008年12月6日土曜日

虚勢手術後の化膿止め

飼い主のエゴによる虚勢手術を受けたのだが、その傷口が見当たらない。剃毛もされていないので見つけにくいのだろうか?
もちろん、自慢の金玉は無くなり、玉袋は萎んでいる。仔猫の頃から大きかった金玉が無くなったので歩きにくい。いや、歩き易くなったかもしれん。
ネズミのオモチャで遊ぶ吾輩
2008年10月27日撮影

手術痕が小さいということは、吾輩の金玉はきっと葡萄(ブドウ)の実を皮から出す様に、「ちゅるっと」出されたのであろう。想像するだけで金玉が縮み上がる。

手術翌日から五日間、朝晩の二回、化膿止めを飲まねばならぬ。吾輩としては、刺身に薬を挿してもらえるのが好ましいのだが、不精者の吾が飼い主は、術後の腹具合の変化を見逃さぬ事を建前に、衝撃的な投薬方法を実行した。
その方法とは、普段から食べている小粒のカリカリを小山にし、その頂に薬を乗せる、、、、それだけである。
堂々とした投薬


常識的に考えて、一錠半の薬に気が付かぬ猫はいない。薬だけ除けて食すのが常道だ。しかし、普段なら姑息な手段で薬を飲ませる飼い主が、かように堂々とした手段を用いたのだ、吾輩もその心意気に応えるが如く、勢い良くカリカリと共に薬を丸呑みにした。
喰らい尽くす


飼い主はきっと、十回も姑息な手段による投薬をするのが面倒になったのであろう。吾輩としても、彼の拙い手技で強制口内投与されるよりマシである。

2008年12月2日火曜日

虚勢手術

朝食を抜かれ病院に行く。

玉を抜かれ病院から帰る。
虚勢された猫


ひどい一日であった。

2008年12月1日月曜日

遊びたい

明日は虚勢手術の為か、飼い主があまり遊んでくれない。

仕方が無いので、自分でネズミの玩具を引っ張り出した。これは、初めて吾輩に与えられた玩具であり、オランウータン夫妻からプレゼントされたものである。
普段ならこのまま飼い主の元に持っていくのだが、今夜は、二階まで引き摺り上げ、新入り猫のナナの部屋の前まで持ってきた。彼女は玩具で遊ぶのを極めて好む。吾輩は玩具に夢中になり、無防備になった彼女を抱すくめるのが好きなのである。
残念ながら、ナナの部屋の戸が閉まっていた。戸を開けて貰うため、一階の書斎に居た飼い主を呼び、二階に誘導する。
飼い主は、ナナの部屋の前に置かれたネズミの玩具を見て少々驚いた様だが、状況を理解し、戸を開けてくれた。

ナナはいつも吾輩を見ると、自ら近づいて来て接吻をする。最初は、それをされて驚いたものだが、今では慣れた。そして、すぐに彼女の興味は玩具に移るのだ。悲しいがそれも慣れた。

今夜も短時間ではあるが彼女との追いかけっこを堪能する事が出来た。以前、猫に友人は必要無いと書いたが、気が変わった。猫は気まぐれなのである。

呼び出した飼い主を放置したためか、彼は寂しそうにしていた。


2008年11月29日土曜日

晩餐

なんと、今夜の夕食は三品もあった。吾が家では驚愕すべき事態である。
ロイヤルカンンキトン、ヒルズサイエンスダイエットキトン、モンプチスープといった品目であったが、とりあえず、手前のヒルズに食いついた。
なぜか、飼い主が餌皿の並んだ盆を回転させ、モンプチスープを吾輩の口元に持ってきた。薬は混入されていないようなので、それも食らう。

満腹になり、顔を洗い始めた頃、普段は寡黙である吾が飼い主から珍しく話があった。

「明後日、虚勢する」

納得出来ない。新入り猫のナナが雌である為だろうか?しかし、数匹増えても飼えるはずである。彼に、吾輩が室内にスプレーされても気にする神経を持っているとも思えない。

まさか、彼に男色の趣味があり、その為の虚勢であろうか?
色々な不安が湧き上がる。

新入り猫“ナナ”の身の上

ナナはデパート内にあるペットショプの『半額処分品』であった。
店舗にもよるが三段ショーケースであれば
・上段:売れ筋
・中段:売り筋
・下段:処分品・売約済み
当然、生後四ヶ月過ぎの彼女は下段のセール品になっていた。同室は売約済みの極小仔猫であり、その上段には仔犬が二匹入れられ、大騒ぎであったそうだ。
ケース一つに一頭が基本であるらしいが、仲が良いからと二頭売れる可能性が高くなるし、じゃれ合う仔猫や仔犬は最高のディスプレイであるからして、商売上はこれが正しい。

彼女がショーケースに陳列されたのは、生後約六週間後であった。離乳は済んでいないが、いわゆる商品価値の高い極小仔猫の時期に親元から離されたので、今だ飼い主を母猫と間違え、乳を踏む動作をする。
彼女は生後、心身共に最も成長する大切な時期をショーケースで三ヶ月程も過ごしたためか、月齢のわりに小柄である。皮肉にも成長の遅れは、極小仔猫を求めたがる消費者を相手とするペットショプでは、商品価値が下がらないメリットがあったかもしれぬ。

このショーケースとは、極めて狭く、食事・トイレ・寝所を一部屋で済ます、ワンルームマンションにも似た野蛮な代物である。日に何度清掃したとしても不衛生であり、風水的にも最悪であろう。なにより毎日12時間も人間に見られ、ガラスを叩かれて眠れない。睡眠時間の長い仔猫には拷問の様なものだ。しかも、ナナの居たペットショップでは、仔犬が活発に動き、客を引き付ける為に、猫にとっては高温である約30℃になっていた。もしも、吾輩がこの拷問室に閉じ込められたら半日で発狂するであろう。まさにキチガイ(←なぜか変換できない)生産機である。

よく噂で聞く、ペットショップの売れ残りは殺処分されるというのは、“生鮮関連”の商売方からすると考えにくい。病気等で治療コストが仕入れ値を超えない限り、殺処分するための手間やコストを掛けるより、値下げしてでも、吾が飼い主の様な愚か者に売れば良いのである。もちろん、世の中のほとんどの飼い主様は、純粋過ぎる善意によって“かわいそう”な、売れ残りペットを引き取り家族の一員として迎え、ペットも人間も幸せに暮らす場合が多いとは思う。

解せぬのは、日頃から生態販売に対して懐疑的である飼い主が、処分価格とはいえペットショップから購入した事である。彼であれば、たとえ処分価格であっても、その商売を支援する事であるのは理解している筈である。実際問題として、“極小仔猫”と “売れ残り猫”を買う客層、又は客の心理は違うのであるから、ペットショップはそれを想定した値入をしている。つまり「カワイイ」で売れるのと「かわいそう」で売れるのは別であるから、長い目で見れば、売り上げ・利益が減る事は無い。損切りも商売の一つである。
しかし、ナナは長期間ショーケースに入れられていたわりに神経質な素振りは少なく、人間好きであり、躾は吾輩以上に良いかもしれぬ。おそらくショプの店員さんに可愛がられていたのであろう。店員さんも、幼少の頃からの夢が「ペットショップの店員さん」だったという無垢な人種かもしれぬ。

ちなみに、英吉利(エゲレス)国では、動物をショーケースに入れ展示販売する事は、動物虐待であり、違法行為であるそうだ。ゆえにペットショップなどは存在しない。日本人は人権に対しての考え方が甘い為か、動物に対してもまた同じなのだろうか?なにしろ日本にはカプセルホテルなどという狂気めいた宿泊施設さえ存在する。
かの、夏目漱石が留学した倫敦(ロンドン)にもちょっと豪華なカプセルホテルはあるのだが、その経営者かブレインはアジア人かもしれん。

元野良である吾輩も、記憶は定かではないが捨て猫と思われる。噛み癖の激しさが仇となったのかもしれん。そんな吾輩から見るとナナが売れ残った理由は
・ボーナス商戦に乗り遅れた(雌のアビシニアンは成人男性向け商品)
・夏休み商戦に合わない商品であった(夏は仔犬が売れ筋)
・耳の形が折れ気味・開き気味で悪い
・目つきがそこはかとなく悪い
・肛門線の匂いが強烈である
・アビシニアンとしての色が悪い

辛口過ぎて、新入り猫のナナにこれを読まれたら吾輩の危機であるが、幸い彼女の部屋にパソコンは無い。
念のためフォローしておこう。彼女の耳の形は好くなりつつあるし、体毛については、そもそも色弱である我々猫には判らない。飼い主も色弱であるし、DTPなどを生業としている彼にとっては、若干の色味の悪さなどCMYKへの変換誤差より小さな問題でしかない。写真での色味をより好くしたいのであれば、専門家に外注するのである。
雌は色ではない。艶が重要である。
肛門線の匂いについては、飼い主殿が匂いフェチであるので気にする必要は無い。吾輩との縄張り冷戦が勃発すれば、溜まった分泌液を放出できる。最悪、溜まり過ぎで化膿しそうなら、病院で肛門絞りである。
椅子の上の新入り猫

飼い主も承知の筈ではあるが、猫は単独行動の生き物であり、友達など必要ない。いや、友達という観念自体が理解しにくい。仔猫が求めるのは母親と兄弟である。
まさかとは思うが、狂人めいた吾が飼い主は、吾輩の性欲の処理道具としてナナを購入したのであろうか?動物愛護団体が卒倒する様な理由だ。なにしろ彼は、ペット用の風俗などという、イカレた商売を考え付く男だ。

少々期待してしまう雄の性が悲しい。

ペットは量産品の玩具ではないと言われが、誤解を承知で言うなら、実際はペットショップで販売される犬猫は玩具ではなく生鮮商品である。

いかん。
飼い主が求婚しているマドンナの母君がこのブログを見ているのを忘れていた。

2008年11月28日金曜日

【新入り猫ナナ】おやつと虫下し

新入り猫の名は“ナナ”である。吾輩は未だに“ナナシ”であるのに随分と優遇されていようだ。現在、彼女とは免疫の問題もあり、吾輩との接触は最小限になっている。

現代製薬 犬猫虫下し「ゲンダイ」今回、虫下しを飲むのは、この、ナナであるのだが、相変わらず卑劣な飼い主採った方法は「モンプチスープメニュー」のスープのみを出し、それに薬を混入するというものだ。
彼女から回虫等が発見されたわけでは無いので、比較的効きの弱い「現代製薬」の虫下しを使用する。

吾輩は薬の入っていない「モンプチスープメニュー」の具を頂ける事となったのだ。先住猫を立てるのはセオリーであるからして、飼い主の判断は真に正しいと評価する。

モンプチスープメニュー

新入り猫のナナは、何の疑いも無く白濁したスープを飲み干したらしい。非常に結構な事である。
ケージの中のナナ

そして吾輩は「モンプチスープメニュー」の具を頂く番になるのだが、大半の汁は薬を飲ませるため先に出したので、容器に具が沢山張り付いてしまったのだ。貧乏症の飼い主は、容器に湯を注ぎ餌皿にそれを移した。
最近太ってきた猫

トロミスープがキモの「モンプチスープメニュー」が台無しである。


2008年11月27日木曜日

新入りの猫

最近、飼い主の様子がおかしい。もちろん、彼の奇行は珍しくないのだが、普段のそれとは違う行動を示す様になった。
また今夜も、吾輩が寝静まった頃を計って彼が二階に上る。少々気になり、足音を忍ばせ、後をつけた。
眠れない猫

ふすまの隙間から、明かりの漏れる部屋を覗いてみると、細身の雌猫がケージに閉じ込められているのが見えた。月齢は吾輩と同じぐらいであるから、人間でいえば八歳程の少女である。
冷たく狭い鉄のケージに、子猫というには少々大きい猫を閉じ込めておくとは、吾が飼い主の非道に驚きを禁じえないが、吾輩としても、滅多に来ない二階の部屋とはいえ、他猫に自由に闊歩されるのは面白くない。
アビシニアン到着

彼女と少し目が合ったが、お互いに緊張し無言になる。しかし、瞳孔はお互いに全開になった。

早々に飼い主と一階に下りる。

事情を飼い主に尋ねようとしたが、夜食を給仕され、誤魔化されてしまった。

2008年11月25日火曜日

湿ったカリカリは邪道だがウエットフードは美味である

病院で体重を量っていただいた。なんと、飼い主の測定より三百グラムも少なかったのである。つまり、病院の測定では一ヶ月間に百グラム増、飼い主の測定では一ヶ月間で三百グラム増という事になる。吾輩としては当然、病院での測定結果を信じたい。

そもそも、飼い主による体重測定の方法は、吾輩を抱いてデジタル体重計に乗り、自身の体重との差から割り出しているのである。この方法では誤差も大きい上、彼のコトであるからして暗算を間違える可能性が高い。
目の怪我以来、吾輩に甘くなっている飼い主に、毎食後、食物の増量を訴えているのだが、応えてくれる気配は無く、今までと変わらず、日に二食、カリカリを約四十グラムづつである。

最近、発見したのだが、吾輩の食料庫である壊れた冷蔵庫内に、食った事の無い馳走が大量につまっていた。
冷蔵庫のキャットフード
これは、オランウータン夫妻やマドンナ様、腐女子様からのカンパの品であるようだ。これらを給仕していないのは、飼い主曰く「体調等が万全でないと腹の調子が判らなくなる」との理由である。

これらの馳走は、吾輩の怪我の前から有った筈。もしや、飼い主が自分だけで食ってしまっているのではなかろうか?

2008年11月21日金曜日

【第二回】三種混合ワクチン接種

おかげさまで、負傷して出たままになっていた右目の瞬膜は下がり、眼球の白濁も順調に回復してきている。飼い主が不気味なほど優しくなったのは思わぬ収穫かもしれぬ。

本日は再び、苦手な車に二十分程揺られ、動物病院にやって来た。
車内の匂いには慣れぬが、今回もなんとか堪えて、失禁や嘔吐はしないで済んだ。

この動物病院はこぢんまりとしているが、受付に綺麗なお姉さんが居るため、飼い主は来院するのが楽しみの様である。しかし、吾輩としては病院に来るのは遠慮したい。

前回と代わって、診察は男の先生であった。飼い主の落胆を感じ取れる。やはり彼は、美しい女医さんと話をしたかったのであろうか?これは吾輩の推測であるが、吾が飼い主はうら若き女性と雲子(ウンコ)の話をしたかったのであろう。この男は、「ウンコ」と連呼できるのが嬉しくて堪らない様に見受けられるのだ。とんだ“セクハラ大魔王”である。

飼い主の落胆とは他所に、今回の男先生も注射の手技が素晴しい。飼い主の無神経なブラッシングより痛みは少ないぐらいだ。

今回で、生後二回目の三種混合ワクチンの接種なので次回は一年後となる。よって健康に過ごせば、病院のお世話には暫くならずに済む。
しかし、少々気になったのは、男先生と飼い主が“虚勢”について話していた事である。

2008年11月19日水曜日

右目の具合が悪い

右目にゴミでも入ったのか?具合が悪い。
瞬膜が下りにくくなり、眼球に濁りも認められるが、涙や目やには出ていない。
元気も出ないので早々に寝る。

2008年11月17日月曜日

右上顎の小臼歯も抜けた

右上顎の小臼歯(前臼歯)も抜けた。左上顎と同じく六番である。
今夜も飼い主と「鼠投げ」をしていたのだが、吾輩が鼠のおもちゃを飼い主の前に置く際に、抜けた歯を吐き出してやったのだ。上顎第二小臼歯(前臼歯)は比較的大きい上に、目の前に吐き出されれば、いくら視力の弱い飼い主でも気が付いたのであろう。これで飼い主は念願であった、猫の乳歯を確保した。

彼は「鼠投げ」を中止し、それの観察を始めた。吾輩としては遊び足りないのであるが、とりあえず水を飲んで休憩しながら、吾が飼い主の様子を観察した。

彼はそれに血が付いている事を見つけた。
当然である。
歯石は出来ていないが、少々食べかすが付着していた。
当然である。
最近、歯の生え替わりの為、歯磨きを控えめにしているのだから。

飼い主は乳歯の観察に満足したのか、腰を上げ、それを丹念に洗い、箱に収めた。

猫の歯を保管しておくとは、正直、不気味である。

左上顎の小臼歯が抜けた

昨日からグラグラしていた左上顎の小臼歯が抜けた。
犬歯と違って小臼歯は乳歯が抜けてから永久歯が生えるようだ。
小臼歯は使用頻度の高い歯であると考えている飼い主は、お節介にもカリカリに湯をかけて給仕する。何度も言う様だが、吾輩としては“カリカリに湯”は邪道でしかない。
しかし、飼い主の論も一理有ると思われるのは、歯の無い歯茎で硬いものを噛み、歯肉に傷を付け雑菌が入る恐れと、片側の歯で噛み砕くクセを付けない為であるという事だ。
人間でも片側の歯で噛むクセがあると額関節に負担が掛かり、いわゆる“枝豆顔”になったり、肩こりの原因になる場合もある。
顔の丸い猫が“枝豆顔”になるとは考えにくいが、顎の筋力に偏りが出来、歯の噛み合わせが悪くなると、上顎内側の自浄作用が低下し、虫歯になり易くなる可能性もある。
カリカリに湯は邪道である


ややこしい事を考える飼い主だが、何故に“カリカリに湯”ではなく、軟らかいペースト状の猫缶を用意するという発想が出来ないのかが謎であり、吾輩の不満でもある。

2008年11月16日日曜日

左上顎の小臼歯が抜けそう

左上顎の小臼歯がぐらぐらして、今にも抜けそうである。若干の出血もある様だ。よって本日の歯磨きは早々に終了した。

【第二回】おやつと虫下し

今日は珍しく、飼い主が昼間から家に居た。どうやら仕事が休みらしい。
跳びつきそうなヌコ
なにより珍しいのは、ナント “おやつ”を用意してくれている。これで吾輩もブルジョアお猫さまの仲間入りである。
さらに、普段では考えられぬコトだが、その“おやつ”とは「モンプチスープメニュー/まぐろ、かにかま、しらす入り」であった。このような馳走は駐車場で野良をしていた頃のローストビーフ以来である。
モンプチスープメニュー/まぐろ、かにかま、しらす入り

若干、パッケージの写真に比べてスープが白濁しているように見受けられたが、それは色温度やコントラストの影響であると納得し、ソレに喰らいついた。


所々に、ゴリッとした食感があった、、、

ドロンタール錠
バイエル薬品株式会社 動物用薬品事業部 ドロンタール錠


完食し、餌皿を舐めていた吾輩を、飼い主は上機嫌で見ている。この所々のゴリッとした食感と白濁したスープは、砕いた虫下しの薬を混入していたためであったのだ。

吾が飼い主は、いちいち卑劣な手段を用いる男である。

2008年11月14日金曜日

また乳歯が抜けた

今度は、右上顎の四番(犬歯)の乳歯が抜けた。
前回より出血が多く、歯茎も少々腫れているようだ。そのため今夜の歯磨きは早々に終了した。

前回、吾輩の抜け落ちた乳歯を発見出来なかった飼い主にヒントを与えよう。

ヒント→ウンコ

とってくる猫

飼い主はニコ動にうpするのは慣れているようだが、ようつべは初めてである。


猫も飼い主も無言で、ひたすら単調な作業を続けている。果してこれが楽しい遊びであるかは疑問が残る。
ビデオカメラ

これの撮影に使用されたビデオカメラは“Canon DM-XL2”であった。お育ちの良い「お猫さま」では嫌がりそうな形状のビデオカメラではあるが、吾輩には気にならなかった。このビデオカメラは旧型ではあるが暗所での撮影には向いているそうである。しかし、オートフォーカスの精度の低さや、ホワイトバランスの設定に難しさが有り、残念ながら吾が飼い主には使いこなせていない。

動画を見ると、飼い主の底意地の悪さを改めて感じる。鼠(ねずみ)の玩具(おもちゃ)を投げるフリをしたり、同時に何個かまとめて投げたりして吾輩を困惑させるのである。
この動画のタイトルは『とってくる猫』と言うより『とってくれない飼い主』とするべきではなかろうか?
実際、無精者の飼い主の側まで鼠の玩具を持って往かねば、再度投げてはくれぬ。つまり、吾輩としては仕方なく運んだのが始まりであったのだ。

それでも飼い主は、肥満気味の吾輩を気にかけてか毎晩二回、合計一時間は鼠投げに付き合ってくれている。

しかし、吾輩から見ると、飼い主殿の腹の脂身の方がはるかに問題であると思える。




2008年11月13日木曜日

猫と暖房エアコン

秋が深まり、肌寒く感じる日が多くなってきた。
最近、昼間は二階で寝ているのだが、深夜から早朝にかけては一階の和室で寝るようにしている。元々この和室は飼い主の寝室であったが、彼は書斎(コンピュータ室)で、日の出頃にそのまま椅子で寝る場合が多い。

よって、この寝室は吾輩が有効に活用する事にした。

この寝室には床置きのFF式ファンヒータが設置されている。しかし、これがなかなかの曲者で、迂闊に近づくと自慢のヒゲを焼いてしまう。この問題を、焼けてカールしたヒゲを飼い主に見せ理解させたのだ。

吾輩の寝室にエアコンが取り付けられた。

寝室は四畳半であるが、六畳用で低温暖房能力を4.4kw有しているエアコンを設置していただいたので、真冬になっても快適に過ごせそうだ。暖まりは早く、部屋が暖まれば室内機の音は静かになり、吾輩もほとんど気にならない程度の音量(質)だ。時折、クリーニング機能が働いたり、室内機が奇妙な形に変形したりして異音がするが、吾輩の眠りを妨げる程ではない。
室外機は積雪を考慮して家の壁面に設置されている。これにより、室内機と室外機を繋ぐダクトが短くなり、熱効率も好くなるそうだ。
しかし、ここは山奥の一軒家なので大丈夫だが、この室外機の風量と騒音は住宅地では非常に問題が有ると思われる。立上げ時にイノシシも退くような音がするのだ。吾が家の場合、昼間もエアコンの暖房は点けたままにしてあるので、霜取り運転後にその轟音がする。

寝室が暖かくなると、気になるのは便所と水飲み場の寒さである。これも早急に改善していただきたい。廊下にもFFファンヒータと床暖房は有るが、FFファンヒータは前記の問題があるので不可である。床暖房は人間より背の低い猫にとっては電磁波の危険性が懸念されるので、これも不可である。

飼い主の書斎に設置されているFFファンヒータは壊れているが、九台のデスクトップパソコンの放出する廃熱を浴びているので問題はないであろう。

2008年11月11日火曜日

乳歯が抜けた

左上顎の四番(犬歯)の乳歯が抜けた。若干の出血があるが食事をするのに問題は無い。
左上顎、犬歯(乳歯)抜け 右上顎、二本の犬歯
��右の上顎はまだ犬歯が二本のままである)

しかし、本日よりカリカリの供与量が減った。
回数は七時半・十九時半・二十四時の三回のままだが、一回の供与量が30グラム程度になってしまったのだ。吾輩としてはカリカリなら毎回40グラム以上でなければ不満があるのだが、飼い主は吾輩の不満の声と視線を無視している。

吾輩の体型が丸くなってきた為による処置だろうが、吾輩は遊びによる運動は好むのだから、出来れば食物の量はそのままにして、遊んでくれる時間を長くしていただきたいものだ。

飼い主は、抜けた吾輩の乳歯を捜して家中を這い回っている。実に滑稽な様である。

2008年11月10日月曜日

【第二回】フロントライン プラス投薬【ノミ駆除】

今朝、起きたら背の毛の一部がまたもガビガビになっていた。どうやら眠っている間に例の“フロントライン プラス”を滴下されたようだ。
ふてくされて寝る猫

眠る吾輩に悪戯をするのは、飼い主の悪癖である。

2008年11月9日日曜日

食した感想「ネスレ ピュリナワン 子ねこ用 チキン」

丸く小粒なフードである。故に、餌皿の中で転がるので少々食いにくい。しかし、相変わらず吾輩はパッケージに記載されている供与適正量程度なぞは数分間で食い尽くしてしまうのだ。

吾輩はさほど気にならなかったが、味見と称して吾輩のカリカリを盗み食いする飼い主は、このフードの味がお気に召さなかった様である。彼曰く、歯ごたえが無く薄味であり、後味も悪いそうだ。
ピュリナ ワン キトン 子ねこ用チキン

500グラムに分封されたパッケージには好感が持てる。なにしろ吾が飼い主は無精者なので、開封したフードの開け口を目玉クリップで留め、壊れた冷蔵庫に入れるだけなのである。愛猫家の飼い主様なら1キロ程度の袋であれば自ら密閉容器に小分けし、冷蔵庫の野菜室等で保管するそうである。是非、彼にも見習ってもらいたいものだ。

数日間、この「ネスレ ピュリナワン 子ねこ用 チキン」のみを食べ続けたのだが、雲子(ウンコ)の量・硬さ・色も好ましく感じた。雲子(ウンコ)の匂いは弱くなるが、それでも彼が存在を主張出来る程度の匂いは残されるようだ。

画像を掲載しようかとも考えたが、それは自重しよう。


2008年11月5日水曜日

おやつと虫下し

今日は珍しく、飼い主が昼間から家に居た。どうやら仕事が休みらしい。
飛びつき椅子の猫

なにより珍しいのは、ナント “おやつ”を用意してくれている。これで吾輩もブルジョアお猫さまの仲間入りである。
さらに、普段では考えられぬコトだが、その“おやつ”を餌皿ではなく、飼い主の手から食わせてくれるようだ。人の手から食い物を頂くのは駐車場で野良をしていた時以来である。
どうやら、飼い主の手にある“おやつ”は“チーズ”であるとお見受けした。

奪い取るようにソレに喰らいつく!

しかし、その刹那“チーズ”が吾輩の口に押し込まれ
現代製薬 犬猫虫下し「ゲンダイ」


ジョリッという食感がした、、、

仕方なく飲み下した吾輩を、飼い主は上機嫌で見ている。この食感は“チーズ”の中に虫下しの薬を包んでいたためであったのだ。

吾が飼い主は、いちいち卑劣な手段を用いる男である。


2008年11月3日月曜日

ズーノーシス

今朝も、飼い主と連れ小便をしていたのだが、その最中に吐き気をもよおし、そのまま猫砂の上に嘔吐した。
強いて吐瀉物(としゃぶつ)に砂掻けはせず、その内容物を飼い主に確認させた。
幸いにも異常に気付いてくれたようだ。体長約五センチの回虫二匹である。

現在も相変わらず食欲は有り、遊びたくて仕方がないのだが、飼い主は猫砂の交換やら、室内の清掃・消毒に忙しく動き回っている。吾輩の寝所に敷いてあるタオルも交換してあったので、今夜は大人しく寝ていよう。

回虫は“元野良”である吾輩は持っていても不思議は無いのだが、実は、飼い主殿の不潔な手や靴下を噛んだが為に感染したのではないかと疑っている。

やはり、不用意に人間を舐めるのは避けるべきである。


2008年11月2日日曜日

永久歯

永久歯が生えてきた。
上顎左右の乳歯である犬歯の前方に、永久歯の犬歯が3mm程伸びてきたのだ。
猫の犬歯というのはなんとも違和感のある表現であるが、人間も側切歯横の三番は犬歯と表記するから、それに倣ったのであろう。
余談ではあるが、吾輩の飼い主は咀嚼能力の高い第三大臼歯が全て生えている。虫歯も無いので32本の歯が生えているのだ。道理で早食いなわけである。

これまでの鋭い乳歯は、甘噛みでありながら飼い主に苦痛を与えるのに有効であったのだが、それも間もなく抜け落ちてしまうであろう。

叱られずに、飼い主に苦痛を与える手段が減るのは残念である。

2008年10月31日金曜日

食した感想「ロイヤルカナン キトン 36」

吾輩は大概のモノは食すが、この「ロイヤルカナン キトン 36」はかなり美味であると感じた。いわゆる“食い付き”を重視した味付けのようだが「フリスキー」や「カルカン」のドライより塩味は薄い。しかし、食欲をそそる香が強いのだ。
小粒で食べ易いので、餌皿の周りも汚さずに済む。
飼い主は時折、約50ccの湯に「ロイヤルカナン キトン 36」を5gほど入れ、スープとして先に給仕する。吾輩としては“カリカリ”を湯でふやかすのは邪道だと考えているが、この前菜を飲み干さねば、主菜である本来の“カリカリ”が出て来ぬので素早く平らげる事にしている。
ロイヤルカナン キトン 36

少々気になったのは、これを数日間食していたら、雲子(ウンコ)の色は黒く、硬くなり、量は「フリスキー」や「カルカン」ドライの半分以下になった。非常に消化・吸収が良いフードのようだ。
しかし、吾輩は毛玉を吐くのがまだ下手なので、多量の雲子(ウンコ)と供に毛を排出していたのだ、よって、極端に雲子(ウンコ)が減ると毛が胃に溜まってしまうのではないかと不安になる。

お値段はまぁ、
少々お高いようだが、それは吾輩の知ったコトではない。

2008年10月29日水曜日

タンスの裏のおやつ

吾輩の飼い主の方針であるのか?副食に類するモノをめったに給仕してはただけない。
以前、腐女子様から頂いた“ささみじゃーきー”と“ぷちぜりー”以来、歯磨きジェルを毎夜口内に強制注入されるだけである。

爪切りや留守番、病院での注射後のご褒美として「おやつ」が出た例(ためし)も無い。
ブルジョア階級の“お猫さま”は、ご褒美として「おやつ」を頂くのは当然の権利として定着していると伝え聞く。全くもって羨ましい限りである。

与えられなければ、自らそれを確保せねばならない。
しかし、最近は寒くなったためか、はたまた吾輩が食い尽くしてしまったのか、室内にあれ程いた蜘蛛や竈馬(カマドウマ)を見かけなくなってしまった。
半ば諦め、気晴らしがてら家具の裏の隙間に前足を突っ込んで弄ってみたら、螢や椿像(カメムシ)の屍骸が転がり出てきた。

当然、それを食らう。

好く乾燥していたので、カリカリに似た食感である。椿像は大きさ的にも“ROYAL CANIN KITTEN 36”に近い。
飼い主は「おやつ」は与えてくれないが、栄養価の高い総合食は必ず与えてくれる。それについては常日頃感謝しているのだ。
舐める猫

親愛の意を込め、居眠りをしている飼い主の頬を舐めた。

2008年10月26日日曜日

黒い野良猫

この山奥の家に住まうようになって、今日で早一ヶ月である。
南側
南側の出窓から、何とはなしに外を眺めていたら、野良と思われる若い黒猫が歩いていた。他猫を指して「野良」と呼ぶのは失礼な気もするが、吾輩も「元野良」であり、他の呼び方も思いつかないのでご容赦願いたい。
その短尾の黒猫は丸々と太り、美しい艶の毛皮の持ち主であった。
聞くところによると、吾が家の向こう隣の保養所、隣といっても一町(約110m)は離れているが。。。そこの客人や管理人さんに食事を分けていただいているらしい。

しかし、この近辺の野良猫の寿命は、吾輩(わがはい)の飼い主の観察によると1~2年程度だそうだ。なんでも冬季になると、この界隈に訪れる人間が減り、頼りの綱である保養所や別荘での食事にありつけ無くなるらしい。冬季は氷点下十度以下になり、積雪の多いこの地域では凍死してしまうのであろう。

空腹と寒さは、吾々にとってなんとも耐え難い事態である。

都会に住む人間は、飼いきれなくなった“猫”を山に捨てたりするようだが、残念ながら吾々“イエネコ亜種”は野生動物ではない。数千年の時を経て創り上げられた、人間の助力が無くては生きる事も困難なペットでしかないのだ。
自然が豊富な山ほど危険も多い。この界隈も、狸や狐、フクロウも生息している。また、捨て猫の増加による縄張り争いや、それに伴う“猫白血病”感染の危険も高い。

願わくは、例え温暖な地域であったとしても、吾らの同胞を山野に放つ前に、里親探しにご尽力いただきたい。

2008年10月9日木曜日

【第一回】フロントライン プラス投薬【ノミ駆除】

飼い主は“ノミ捕りコーム”を使用したノミの駆除に疲れたらしく“フロントライン プラス”なる、強力なノミ駆除剤の使用に踏み切った。吾輩をおもちゃで遊ばせ、疲れて眠くなった頃合いに投薬するという暴挙に出たのだ。
フロントラインプラスキャット

飼い主は、無慈悲にも肩甲骨間の毛を掻き分け、ピペットからアルコール臭いその薬剤を滴下し始めた。

“フロントライン プラス”の但し書きに「全量投与せよ」と記述してあるようだが、体重が2kg程の吾輩には多すぎるのではあるまいか?

ケチな性分の飼い主は、開封した分は確実に使い切ろうと、ピペットをしっかりと絞っている。薬臭くて敵わんのだが、下手に暴れて余計な場所に薬剤が付着してもつまらぬので我慢した。

次回の投薬は一ヵ月後だそうだ。

後で投薬した付近の毛が、ガビガビになって非常に不快であった。これは飼い主の投薬手技の拙さも一因である


2008年9月23日火曜日

捨て猫

吾輩(わがはい)は猫である。名前はまだ無い。
どこで生れたかとんと見当(けんとう)がつかぬ。

腹が非常に減り、何でもよいから食物(くいもの)のある所まであるこうと決心をし、迷い込んだのが、やたらと人間の多く行き交う駐車場であった。

此処は隣接する洋館の専用駐車場であり、祝宴でもあるのか?連日千人以上の客人が訪れていた。幸いにも吾輩を追い立てる人間はおらず、タクシードライバーなる職業の人間達は好く遊び相手にもなってくれ、食物も与えてくれた。

捨て猫


時折、子連れの白猫を見かけた。あわよくば吾輩も養ってくれはしないかと期待したが、彼女は自分の子猫を守るだけで精一杯であった。彼女は果敢にも洋館で飼育されているマガモを狩りに侵入していが警備は厚く、毎度この館の庭師に追い出されていた。

吾輩には自身より大きいマガモを狩るのは難しく思えるし、なによりヤツらの数が多過ぎる。多勢に無勢だ。マガモ共に取り囲まれ突き廻されたら敵わぬので、行き交う人間に媚を売り、食物をねだる事に専念した。

媚を売る猫

庭師達も手塩にかけて育てているマガモを吾輩が襲わぬと知り、御手洗団子(みたらしだんご)などを食わせてくれた。

人間には対抗するより、愛想を振り撒いた方が得である。