吾輩の体重は、4.4㎏となり、益々肥大化している。対して、満五ヶ月の新入り猫の“ナナ”は、やっと1.8㎏になったところである。
現在、吾輩の食事量は日に二回、カリカリを40gづつであり、これを十分以内に食すのだが、ナナは日に二回、カリカリを30gづつで、各十時間程度で食す。
ナナの「チビチビ食い」は、ペットショップでついた癖らしいが、飼い主はこれが不満らしい。彼は日に一食、十分以内に食すという、人間種としては特殊な生態の持ち主だ。
ナナの餌は、彼女の専用室である、開け放されたケージの二階に置いてあるのだが、紳士な吾輩は、それを盗み食ったりはしない。
そもそも、彼女の縄張り内に気安く入るのは気が引ける。しかも飼い主の陰謀によって、故意に吾輩をケージ嫌いにしたのだ。
しかし彼女は、吾輩がカリカリを食っていると、それが彼女と同じ物であっても、吾輩を押しのけて食おうとする。
少食のくせに、意地汚い娘である。
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