吾輩もナナも、ノミは見当たらず痒い処も無いのだが、お互いのエチケットとして、いつもの「フロントライン プラス」を投薬される事となった。
この薬剤の注意書きには、体の大きさにかかわらず「全量滴下せよ」とあるのだが、貧乏性の吾が飼い主は、この高価な薬剤のピペット一本から、少量をナナに垂らし、残りを吾輩に滴下した。
ここで、彼の貧乏性が功を奏したようだ。ナナは雌猫であるのに、安物のマタタビ少量でも酔ってしまう体質なのだが、この「フロントライン」の副作用というか、当然の作用というべきか、舐めてもいないのに、成分のアルコールに反応したのか、「きゅるきゅるにゃー」と鳴きながら、酔った様な行動を始めた。
もしも、彼女に全量を滴下していたら嘔吐したかもしれない。
幸い、彼女の奇行は十分程で収まり、今は眠りこけている。
猫にアルコールは要注意である。旧千円札の中の人が百年前に随筆した、猫を主人公とした小説がある。不運にもその猫は、ビールを飲んで酔った末に、甕(かめ)に落ちて溺死しているのだ。
余談だが、吾が飼い主は下戸(げこ)である。
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