2008年12月26日金曜日

安定生活とその代償

今日で吾輩が保護(拉致監禁)されてから三ヶ月となるが、すでに何年もこの家で暮らしているように感じる。

「斉藤式」猫年齢換算からすると、人間でいえば四年程の感覚かもしれない。

以下の三枚の写真は、マドンナ様が保護直前に撮影したものだ。少々野良猫らしい鋭さがあるものの、吾ながら愛くるしい姿だと思う。
野良猫1

野良猫2

野良猫4



しかし、先の「斉藤式」だと、現在月齢七ヶ月(推定)の吾輩は、人間でいうと十歳になる。

保護三ヶ月目

最近撮った写真を見ると、オッサンくさく感じるのは気のせいであろうか?
オッサンくさい猫


2008年12月24日水曜日

楽しいクリスマス

「Buon Natale!」
なぜかイタリア語で挨拶したくなった。

クリスマスである。

人間は日照時間の短いクリスマス頃に発情するらしい。人間の雄は、秋になると慌てて交配相手を探し、首尾好く相手を見つければ、12月24日から25日にかけて交尾を行う。つまり、今日明日あたりに人間は一年で最も盛んに交尾を行うのだ。少子化の進む人間社会において、真に好ましい習性である。

ベットの大きさに若干の問題

我々猫は人間と違い、日照時間が長くなると、まず雌が発情し、その悩ましい泣き声を聴いた雄も、それに釣られて発情する。しかし、飼い猫は室内照明の関係により、年中無休で発情する猛者も居るそうだ。
抱きつくとスゲー嫌がる

悲しい話だが、資本主義の悪魔に毒された“仔猫生産業者”は、照度を調整し、九月末から十月頃に、雌猫を発情→交尾→妊娠させ、約六十日の妊娠期間を経て、クリスマス商戦に合わせた、生後一ヶ月程の極小仔猫を出荷する。まるで、ポインセチアやシクラメンの開花調整のようだ。
なんとも罪深い行為ではあるが、資本主義社会において仕方の無い事かもしれんし、少なくとも、その仔猫を飼う人間に、無知以外の罪は無いと信じたい。
もしも、吾が飼い主が、承知の上で「クリスマスペット買い」をしたら軽蔑するが、そもそもケチな彼が、相場の高い時期にそれをする筈も無い。

とりあえず、吾輩への
猫缶等のプレゼントは期待している。


ところで、飼い主殿に発情の兆しは見受けられない。どうやら今年もまた、交配相手を見つけられなかったようだ。飼い主は『猫の世話に時間を盗られた』と見苦しい言い訳をしているが、それは事実無根であり、言いがかりに過ぎない。
その証拠として、去年は猫を飼っていなかった、彼のパソコンから昨年のクリスマスの写真を発掘した。




XPタン-楽しいクリスマス_02

XPタン-楽しいクリスマス_01


趣味の否定はしたくはないが、情けなくて涙がでてくる。
怒る猫



2008年12月23日火曜日

クリスマス中止のお知らせ

吾輩の飼い主殿のパソコンから、奇妙な画像とテキストを発見した。
クリスマス中止のお知らせ

2008年12月25日に開催予定のクリスマスは、サンタ・クロース氏がストームトルーパーに拘束されたため中止となりました。これに伴い、クリスマスイヴを含むプレゼントやクリスマスデートなどクリスマスに関連する諸行事は全て中止となります。ご了承下さい。
中止、ならびにこの告知が遅れたことにつきまして、楽しみにしておられた方々・関係者各位には謹んでお詫び申し上げます。

クリスマス実行委員会

上の画像は、タイムスタンプによると一年前に作成されている。

吾が飼い主ながら、情けなくて泣けてくる。
CRTの前で邪魔をする猫



2008年12月21日日曜日

野良生活時代の洋館に行く

吾輩が保護(拉致監禁)されてから、そろそろ三ヶ月となる。
そのあたりの経緯を忘れぬうちに記しておきたいのだが、吾輩も自宅警備やら昼寝やらで忙しく、なかなか書けないでいる。
保護三日目
保護三日目撮影

そんな最中、暇を持て余している吾が飼い主の気紛れで、吾輩が保護された洋館に連れて行かれた。

苦手な車に数分揺られて到着。
幼少の頃、、、といっても三ヶ月前だが、記憶が残っていたのか緊張は無い。しかし館の中に入るのは初めてだと思う。
そこで、お世話になった方々と久しぶりにお会いした。マドンナ様とは二ヶ月程前にもお会いした気がするが、正直…あまり覚えていない。しかし、彼女のテンションは以前より高い事だけは感じ取れる。

それにしても、この館にしても、動物病院にしても女性が多い。人間とは八割方、女性の種族であっただろうか?大抵の猫もそうだと思うが、吾輩も野郎より女性の方が好きであるので、女性比率の高さは喜ばしい。

とりあえず今日は眠かったので、以前の様に“噛み付き猫キック”はせずに、大人しく彼女らに撫でられる事を楽しんだ。

残念だったのは、飼い主によって何とも恥ずかしい柄のハーネスを着けられていた事だ。
猫用ハーネスセット ギンガム
ハーネスを装着するのは大して気にならなかったが、この柄は酷い羞恥プレイである。

2008年12月19日金曜日

ナナの乳歯が抜ける

ナナの、左右上顎の四番(犬歯)の乳歯が抜けた。
ほぼ同時に、二本の乳歯が抜けたにも関わらず、口内の出血は確認されていない。
吾輩の場合はだいぶ出血が有った。これは、体質の違いであろう。

2008年12月17日水曜日

【毎月恒例】虫下し投与【十二月】

今日は珍しく、飼い主が昼間から家に居た。どうやら仕事が休みらしい。
飼い主が休みの日は、病院に連れて行かれたり、薬を飲まさるわで嫌な事ばかりである。
今回は虫下しを飲まされるようだ。しかし、どんな“おやつ”に薬を混ぜるのかと若干の期待もある。

何を思ったのか?飼い主が自らの左手を吾輩の目の前に差し出した。その手には、何も隠し持って無い様だ。取り敢えず、前足を彼の手首に絡みつけ、指に噛み付こうとしたその刹那!

飼い主は、右手に隠し持っていた薬を吾輩の喉奥に押し込んだ!

しかも、一錠と半錠を連続して。

舌より奥に入れられると、吐き出す事は出来ない。苦しさから逃れる為、仕方なく飲み込むしかないのだ。吾輩の噛み癖を利用されてしまった。なんとも惨い仕打ちである。

次は“ナナ”の番になる。彼女は飼い主を一度たりとも噛み付いたり引っ掻いたりした事は無い。しかし、彼女は決してお淑やかな娘では無い。吾輩は毎日彼女に噛み付かれたり“猫パンチ”を食らわされたりしている。

飼い主は安易な方法でナナに薬を飲ませようとした。
まずは、指先に持ったカリカリを彼女に一粒づつ食べさせ始めた。そして数粒を食べさせると、今度はその指先に薬を半錠つまむ。常識的に考えて、これを食べる猫はいない。

が、彼女は食った!何の疑いもなく食らい付いた!
しかし、流石に違和感があった様で、それを吐き出そうとした瞬間。飼い主の指が彼女の口に入り、そのまま薬を押し込んでしまった。
そして、彼女の鋭い乳歯に傷つけられる事も無く、飼い主の指は生還した。


飼い猫の信頼を裏切った飼い主を、彼女は恨めしげに見上げている。

2008年12月12日金曜日

【毎月恒例】フロントライン プラス投薬【ノミ駆除】

吾輩もナナも、ノミは見当たらず痒い処も無いのだが、お互いのエチケットとして、いつもの「フロントライン プラス」を投薬される事となった。
叫ぶ猫(ホントはアクビ)

この薬剤の注意書きには、体の大きさにかかわらず「全量滴下せよ」とあるのだが、貧乏性の吾が飼い主は、この高価な薬剤のピペット一本から、少量をナナに垂らし、残りを吾輩に滴下した。

ここで、彼の貧乏性が功を奏したようだ。ナナは雌猫であるのに、安物のマタタビ少量でも酔ってしまう体質なのだが、この「フロントライン」の副作用というか、当然の作用というべきか、舐めてもいないのに、成分のアルコールに反応したのか、「きゅるきゅるにゃー」と鳴きながら、酔った様な行動を始めた。
豚っぽいアビシニアン

もしも、彼女に全量を滴下していたら嘔吐したかもしれない。
幸い、彼女の奇行は十分程で収まり、今は眠りこけている。

猫にアルコールは要注意である。旧千円札の中の人が百年前に随筆した、猫を主人公とした小説がある。不運にもその猫は、ビールを飲んで酔った末に、甕(かめ)に落ちて溺死しているのだ。

余談だが、吾が飼い主は下戸(げこ)である。

体重測定

吾輩の体重は、4.4㎏となり、益々肥大化している。対して、満五ヶ月の新入り猫の“ナナ”は、やっと1.8㎏になったところである。
サイズ比較

現在、吾輩の食事量は日に二回、カリカリを40gづつであり、これを十分以内に食すのだが、ナナは日に二回、カリカリを30gづつで、各十時間程度で食す。
ナナの「チビチビ食い」は、ペットショップでついた癖らしいが、飼い主はこれが不満らしい。彼は日に一食、十分以内に食すという、人間種としては特殊な生態の持ち主だ。

ナナの餌は、彼女の専用室である、開け放されたケージの二階に置いてあるのだが、紳士な吾輩は、それを盗み食ったりはしない。
見下す猫

そもそも、彼女の縄張り内に気安く入るのは気が引ける。しかも飼い主の陰謀によって、故意に吾輩をケージ嫌いにしたのだ。

しかし彼女は、吾輩がカリカリを食っていると、それが彼女と同じ物であっても、吾輩を押しのけて食おうとする。
意地汚い猫

少食のくせに、意地汚い娘である。

2008年12月8日月曜日

風呂

本日、ナナと共に洗われる。


濡れるのは嫌いである。

2008年12月7日日曜日

水を手(前足)ですくって飲む猫

新入り猫“ナナ”は、時折、水を手ですくって飲んでいる。これは珍しい行為ではないそうだ。吾が飼い主が、二十年前に飼っていたトラ猫もそうであったらしい。
特に彼女ら、アビシニアンは水をあまり恐れないそうだ。吾輩もそれほど水を恐れないが、体が濡れるのは不愉快に感じる。

問題は、彼女が吾輩専用の大型ステンレス水皿にまで前足を入れる事だ。彼女は便所での砂掛けが下手なので、毎回のように雲子(ウンコ)を触ってしまう。その前足を吾輩の水皿に突っ込んで水を掻き混ぜたりする。不衛生極まりない行為である。まさか吾輩の水皿で雲子(ウンコ)を洗い流しているのだろうか?彼女は自分専用の小型水皿では、掻き混ぜまではしていない。
彼女の個室である、開け放たれたケージとトイレの間に、吾輩の水場があるだけで、彼女に悪意は無いと信じたい。
夕日を見る猫

砂掛けは下手な彼女だが、器用な一面もある。それはカリカリを水に入れて、ふやかし、片手で掴み上げて食うのだ。邪道な食し方ではあるが、感心してしまう。

水場の衛生面については、二階の洗面台を新たな水場として追加し、水を少しずつ流したままにする事により改善された。

2008年12月6日土曜日

虚勢手術後の化膿止め

飼い主のエゴによる虚勢手術を受けたのだが、その傷口が見当たらない。剃毛もされていないので見つけにくいのだろうか?
もちろん、自慢の金玉は無くなり、玉袋は萎んでいる。仔猫の頃から大きかった金玉が無くなったので歩きにくい。いや、歩き易くなったかもしれん。
ネズミのオモチャで遊ぶ吾輩
2008年10月27日撮影

手術痕が小さいということは、吾輩の金玉はきっと葡萄(ブドウ)の実を皮から出す様に、「ちゅるっと」出されたのであろう。想像するだけで金玉が縮み上がる。

手術翌日から五日間、朝晩の二回、化膿止めを飲まねばならぬ。吾輩としては、刺身に薬を挿してもらえるのが好ましいのだが、不精者の吾が飼い主は、術後の腹具合の変化を見逃さぬ事を建前に、衝撃的な投薬方法を実行した。
その方法とは、普段から食べている小粒のカリカリを小山にし、その頂に薬を乗せる、、、、それだけである。
堂々とした投薬


常識的に考えて、一錠半の薬に気が付かぬ猫はいない。薬だけ除けて食すのが常道だ。しかし、普段なら姑息な手段で薬を飲ませる飼い主が、かように堂々とした手段を用いたのだ、吾輩もその心意気に応えるが如く、勢い良くカリカリと共に薬を丸呑みにした。
喰らい尽くす


飼い主はきっと、十回も姑息な手段による投薬をするのが面倒になったのであろう。吾輩としても、彼の拙い手技で強制口内投与されるよりマシである。

2008年12月2日火曜日

虚勢手術

朝食を抜かれ病院に行く。

玉を抜かれ病院から帰る。
虚勢された猫


ひどい一日であった。

2008年12月1日月曜日

遊びたい

明日は虚勢手術の為か、飼い主があまり遊んでくれない。

仕方が無いので、自分でネズミの玩具を引っ張り出した。これは、初めて吾輩に与えられた玩具であり、オランウータン夫妻からプレゼントされたものである。
普段ならこのまま飼い主の元に持っていくのだが、今夜は、二階まで引き摺り上げ、新入り猫のナナの部屋の前まで持ってきた。彼女は玩具で遊ぶのを極めて好む。吾輩は玩具に夢中になり、無防備になった彼女を抱すくめるのが好きなのである。
残念ながら、ナナの部屋の戸が閉まっていた。戸を開けて貰うため、一階の書斎に居た飼い主を呼び、二階に誘導する。
飼い主は、ナナの部屋の前に置かれたネズミの玩具を見て少々驚いた様だが、状況を理解し、戸を開けてくれた。

ナナはいつも吾輩を見ると、自ら近づいて来て接吻をする。最初は、それをされて驚いたものだが、今では慣れた。そして、すぐに彼女の興味は玩具に移るのだ。悲しいがそれも慣れた。

今夜も短時間ではあるが彼女との追いかけっこを堪能する事が出来た。以前、猫に友人は必要無いと書いたが、気が変わった。猫は気まぐれなのである。

呼び出した飼い主を放置したためか、彼は寂しそうにしていた。