2008年10月26日日曜日

黒い野良猫

この山奥の家に住まうようになって、今日で早一ヶ月である。
南側
南側の出窓から、何とはなしに外を眺めていたら、野良と思われる若い黒猫が歩いていた。他猫を指して「野良」と呼ぶのは失礼な気もするが、吾輩も「元野良」であり、他の呼び方も思いつかないのでご容赦願いたい。
その短尾の黒猫は丸々と太り、美しい艶の毛皮の持ち主であった。
聞くところによると、吾が家の向こう隣の保養所、隣といっても一町(約110m)は離れているが。。。そこの客人や管理人さんに食事を分けていただいているらしい。

しかし、この近辺の野良猫の寿命は、吾輩(わがはい)の飼い主の観察によると1~2年程度だそうだ。なんでも冬季になると、この界隈に訪れる人間が減り、頼りの綱である保養所や別荘での食事にありつけ無くなるらしい。冬季は氷点下十度以下になり、積雪の多いこの地域では凍死してしまうのであろう。

空腹と寒さは、吾々にとってなんとも耐え難い事態である。

都会に住む人間は、飼いきれなくなった“猫”を山に捨てたりするようだが、残念ながら吾々“イエネコ亜種”は野生動物ではない。数千年の時を経て創り上げられた、人間の助力が無くては生きる事も困難なペットでしかないのだ。
自然が豊富な山ほど危険も多い。この界隈も、狸や狐、フクロウも生息している。また、捨て猫の増加による縄張り争いや、それに伴う“猫白血病”感染の危険も高い。

願わくは、例え温暖な地域であったとしても、吾らの同胞を山野に放つ前に、里親探しにご尽力いただきたい。

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