猫の勘は鋭い────
特に、ナナとサバトは厭な事をされる前に気付く。
今日もナナは飼い主に甘えようと彼に近づいたのだが、即、反転し逃げる体勢に移行した。
彼の呼吸が浅く細かくなった時は、ナニか企んでいるからである。
しかし、敵もさるもの引っ掻くもの。無慈悲にも首根っこを摘まれたナナは「フロントライン・スプレー」を吹付けられてしまった。
サバトは飼い主との付き合いが一番短い。それでも彼の視線が「フロントライン・スプレー」に向いた刹那、後ろ足に時速40kmまで一気に加速する最大推力を与えた。
しかし、彼女はヒョイと持ち上げられ、その強力な蹴りは虚しく宙を掻く。
結果は『プシュ、プシュ、プシュ、プシュ、プシュ』であった。
吾輩はウトウトしている間に「フロントライン プラス」を、毛を掻き分けて垂らされた。
もちろん気付いてはいたのだが、逃げるのも面倒なので無視する事にしたのだ。
合理的な行動は吾輩が最も優れている。
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